可能性を拓いた!育休後アドバイザーの学び「育休後アドバイザーインタビューNO.2」|特定非営利活動法人 女性と仕事研究所

WWRCインタビュー

可能性を拓いた!育休後アドバイザーの学び「育休後アドバイザーインタビューNO.2」

2022年12月27日

大賀 侑子 さん
育休後アドバイザー/育休後カフェファシリテーター

大阪府出身。大学卒業後に入社した家電ベンダーで勤続16年目。途中、約3年にわたる育児休暇を経て復帰するも、育休前との環境の変化や時短勤務での周囲への遠慮で思い悩む。そんな時ネットで行き当たった育休後カフェに参加し、自身の置かれた状況やこれからについて冷静に考える機会を得て救われる。のちに育休後アドバイザーを取得。


育休後アドバイザーを取得されてよかったなと思われたことを教えてください。

はい。育休後アドバイザーになってよかったなと思うのは仲間ができたことです。同じ志を持っている仲間がいるのはとても心強いです。それから身近に育休を取得した男性がいるのですが、それこそ前例がなくて不安や疎外感があるというか、女性とまた少し立場が違うので深みも違うなという感想を持ちました。育休後というと女性に向けた情報やコミュニティかなと思っていましたが、もっと幅広く必要になっているなと感じています。私の夫も一年の育休を取りましたし、男性の育休の例も含めて、こういったのがありますよとお話しできたらなと思っています。そういう意味でも育休後アドバイザーのコミュニティは、情報を得る場としてすごく貴重です。法改正などの新しい情報もキャッチできるのがとてもありがたいですね。

大賀さんが育休を取得されたときは、どのようなことを感じられましたか?

育休前と育休後の環境の変化、自分の変化、想像していたのと違うギャップにどうしたらよいかわからなくなりました。与えられていることをやるしかなくて、同じような人がいなくて、自分だけが違っていて。自分だけ甘えている、自分だけ会社の方向性と違う方向を向いている、ここにいていいのだろうか?と自分を責めました。子どもにも寂しい思いをさせて何やってるんだろう?と何が正しいか分からなくなって。それが仕事を辞める理由になるのかも分からないし、客観視する方法が本当に分かりませんでした。

心理的なつらさもあれば、物理的なつらさもあったでしょうね。

そうですね。子どもが産まれたときは両親が近くに住んでいなかったので、保育園のときは夫と協力して有給休暇を半々ぐらい取っていました。お迎えは夫がよく行ってくれていましたね。家事は考え方が違って夫は外注、私はできる限りやりたいと思っていました。その価値観が違うのは全く問題なくて、子どもたちにはそれぞれの考え方があるんだと思ってもらえればいいかなと。私は外注できる選択肢は持っているけど、したくないからしていないだけ。あと心配性なので生まれる前からの準備には時間をかけました。出産前に託児所を運営している会社のセミナーに参加して、どのタイミングで保育園の手続きをするとか、こういう問題が起こり得るからねと聞いていた内容を事前につぶしていました。活用するかどうかは別として準備だけはしておこうと動いていましたね。

友人からは「子育てなんか子どもが死ななかったらいいねん。」と言われて「なるほどねー!」と思いました。今日も生きてる!って思っています。それが一番心強かったです。つい1~2年ほど前に両親が近くに引っ越してきてくれたのですが、これほど姑をこき使う嫁もいないだろうな(笑)というぐらい、今は助けてもらってもいます。

育休後に離職することは考えられなかったのですか?

実際、つらい気持ちになって、辞めようと転職活動をしたこともありました。それで上司に相談して部署異動が叶って、今いる状況なんです。それも事前に「会社を辞めるのはいつでもできるから、最後の手段にすればよい」ということを本で学んでいたから。今は、仕事を続けられていること自体が良かったなと思っています。

同じところで続けることがマストやベストではないと思うのですが、社会とのつながりを持ち続け、働き続けるのは良いことだと思うんです。働けばお金がもらえるので子どもたちに与えられるものの可能性や環境への可能性も広がります。社会的な経験値も上がるので、自分の可能性も広がると感じられます。選択肢を広げるためにも仕事を続けていた方が、可能性が広がるなと実感しています。

キーワードは「可能性」ですね!

自分の業務と関係ない育休後アドバイザーの知識は、少し違う視点を持つという視野を広げる勉強にもなりました。育休後アドバイザーになって得た新しい筋肉をどう発揮しようかとトレーニング中です。

育休後カフェに初めて参加したとき、山口先生の励ましやアドバイスをもらって、そのときの現状は自分の中で受け止められました。育休後アドバイザーも取得したし、あとどうアクションするかは自分自身ですよね。結論的には前向きな気持ちになれて今もずっと同じ会社で勤め続けられているので、あんな場所がもっと自分の家の近くにあればなと、そういう場所づくりができたらなとぼんやり思っていました。偶然にも、育休後アドバイザーの講義を受けたときに20年ぶりの同級生がいて、せっかく育休後アドバイザーになったんだから一緒に何かしたいねと話しています。

育休後アドバイザーの学びをどう広げるか。可能性がこれからもあると思うと、とても楽しみです。

何しよう?どうする?選択肢がたくさんある=可能性ですね。何個ぐらい選択肢あるんやろうと思ったら、ワクワクします!

最初から最後までとても良い表情で語って下さった大賀さん。育休後アドバイザー同士として私もワクワクを共有していきたいです!ありがとうございました。

女性と仕事研究所事務局 藤本(育休後アドバイザー)

(取材:2022年08月/所属・役職名等は取材時のものです)

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