あなたの応援者がここにいますよ!「育休後シニアアドバイザーインタビューNO.1」|特定非営利活動法人 女性と仕事研究所

WWRCインタビュー

あなたの応援者がここにいますよ!「育休後シニアアドバイザーインタビューNO.1」

2022年07月07日

竹本 はるみ さん
IT企業勤務/育休後シニアアドバイザー/育休後カフェファシリテーター

IT企業の人事部門に従事。長期的なキャリアの形成の中で転勤、単身赴任、出産など豊富な経験を持つ。育休後はフルタイムで復帰し、仕事とプライベートを両立している。両立にまつわる不安払拭をはじめ、もっと自由に、自分らしく働いてほしい、との想いからビジネスパーソンに向けの情報発信の場を積極的に設けている。
東京都労働相談情報センター「育業パパママの職場復帰セミナー~育休後の働き方を考える~」動画セミナー(2022年11月より1年間公開)に講師として登壇
 第一部 https://youtu.be/h7EapbJHMdA
 第二部 https://youtu.be/21jzZO-bFsg 


育休後アドバイザー養成講座受講後に、上位講座である育休後コンサルタント®養成講座を受講されたのは、何が決め手になったのでしょうか?

※育休後コンサルタント®養成講座:育休後社員のキャリア形成の課題を管理職視点で解決支援できるよう学びます。

育休後アドバイザーとして、普段のベースは対個人の相談ですが、更に一歩進んで組織の管理職目線や考え方を知っておく為に受講しました。

育休後コンサルタント®養成講座を受講すると、そのような層にどんな風に訴えかけたら響くのか、会社全体として見た時にどうなのか、大局観的に思考するクセが付くと思います。

組織に所属している方であれば、それが個人の悩みなのか、所属する組織の問題なのか、両方から考える必要があるのでは、と思います。そして、もし組織の状況を改善したいと考えるなら、どんな提案や企画書だったら、「やらないとまずい。(むしろ早くやるべき。)」と上司の方に思ってもらえるかな?という目線が必要になります。管理職に「いいね!」と思ってもらいたいなら、自分の利益だけでは一方通行ですので、管理職目線も持っておくことが必要です。

育休後シニアアドバイザーとしての活動で、特に大事にされていることを教えてください。

まず、お話をよく伺うようにしています。講座にいらっしゃる方は、この先の漠然とした不安を抱えている方が多くいらっしゃいます。その不安も多くの要素が絡まって生じているので、ご自身も困難の一丁目一番地に気づきにくいと思います。参加者のニーズを見極めながら、お一人お一人に新たな気づきが生まれるようにグループワークなどに関わるように心がけています。そんな時は、キャリアコンサルタントの学び(傾聴や、積極的変わり技法等)が役立っています。講座に来て、少しでもモヤモヤが晴れた、とか、新しい気づきが得られた、と思ってくださると嬉しいですね。

お話をお聞きしていると、「少し前の私もそうだった、そうだった」、「この時はつらかったな~」、と共感する事が多々あります。でも当事者だと、何でこんな思いをするのかが見えなくなりがちです。以前の私も、思い悩んでいる事の正体がはっきり言語化できず、モヤモヤばかりが先に立っていました。過去の私のように、両立の困難さに心が折れそうになり、「涙がちょちょぎれる」という気持ちを、もう誰にも味わってほしくないですね。

これまで時短制度なども使わずに、家事・育児・仕事を両立してこられた竹本家ならではの、家事・育児分担ルールはあるのでしょうか?

共働きなので、夫婦で共に家事育児を協力しあっていますが、きっちりと分担を決めてはいません。緩やかにやれる方がやる、といった感じです。といってもパートナーは、言えばやるんですけど、言わないとやらないので、時々は私が司令塔になります。(笑)

例えば、ゴミ出しは、最初は私がゴミを集めて玄関に置いて、夫がゴミ置き場に持っていく、としていました。ですが、出産後は目の回る忙しさの上、当時ぎっくり腰になってしまいました。そこで、「重たいごみは運べないし、ゴミを集める所からがゴミ出しです。ごみ袋はココ、回収日は市報をみて。」と宣言した事がありました。そうしたら、毎日毎日「今日は何のゴミの日?」って聞くのです。「それも含めてゴミ出しですよ。」と伝えたんですね。それでようやく分かったのか、ゴミの専用アプリを入れたり、自分で工夫してやり始めて・・・。時間はかかりましたが、今はもう何も言わなくても、私の部屋のゴミも回収するまでに成長しました。日頃のコミュニケーションは大切ですね。

私は、そもそも定年まで(定年後も)働きたいが前提なんですね。ずっと、私は仕事を続けるから、全部妻にやらせようなどと考えている男性とは結婚したくないと思っていました。結婚するときも「アイロンはかけないから形状記憶シャツ買いましょう!」と宣言しました。将来の線表はきっちり決めている訳ではないですが、常にインプットしながら働き続けて、何か起きても自分の稼いだお金で食べていけるように、生きていけるようにっていうのはずっと思っていました。そこは、「自分で決める」というのが重要だと思っていて、そのベースが最初に揺らいでしまうと、様々な障壁に気持ちがついていかなくなると思います。

「ずっと、私は仕事を続ける。」何がそのように思わせたのでしょうか?

誰かや、何かの都合で自分のライフプランが狂うのは不本意だと、心のどこかで考えていたからだと思います。そして自分が気持ちよく働ける状況とは何だろうと考えてきました。

私は、ずっと総務・人事畑にいるため、勤労者としての目線と、雇い入れ側の両方の目線を持っているつもりです。万が一に備えて、もしも外部に出たときに自分の市場価値が何なのかを常に意識していました。

一方で、様々な事情で一度離職した方の再就職の困難さや、子育て世代のママの処遇を見てきました。それらを総合的に考えた時に、心身ともに健康であれば、出来るだけ(今の)置かれた場所で咲き続けたいな、と思うに至りました。

最後に、「育休後職場復帰セミナーで講師をする際、一番伝えたいメッセージは何ですか?」

一番伝えたいのは、先日の yahoo ニュースでも記事になっていた、山口先生の「たとえ低空飛行でも飛び続けることが大事なんだよ」という言葉ですね。講座を受けてくださる方には知ってほしいし、伝えたいなあと思っています。周囲にそういう事を言ってくれる人が居ないから、みんな心が折れそうになったり、これで良いのかなと、いろんな迷いがすごい膨らんでしまい、思い悩んで講座に参加して下さっていると思うんですよね。

私自身もこの言葉に何度も救われた事か。一人で心の中で、涙ちょちょぎれている時、山口先生の言葉が折に触れて思い出されるって言うか・・。講座に来てくださる方は、みんな本当に素敵で一生懸命な方ばかりなんですよ。だから沢山たくさん承認をして差し上げて、「あなたの応援者がここにいますよ!」という事が熱量として伝わったら嬉しいですね。

竹本はるみさんプロフィール詳細

得意分野は復帰支援、両立支援、女性活躍推進、キャリア教育、若年層の職場定着支援等。キャッチフレーズは、「迷える誰かの小さな灯火」一児の母。特技はタップダンス、趣味はガーデニング&ミニ盆栽と美術館巡り。

育休後アドバイザー育休後シニアアドバイザー/2級キャリアコンサルティング技能士/国家資格キャリアコンサルタント/(株)ワーク・ライフバランス認定コンサルタントなど取得。

WEBマガジンへのコラム執筆 アフターファイブは何するの – まんなかタイムス (wordpress.com)

WEBラジオパーソナリティ 007 以降参加 (269) まんなかラジオ – YouTube

でも活躍中!

ありがとうございました。女性と仕事研究所事務局 藤本(育休後アドバイザー)

(取材:2022年6月27日/所属・役職名等は取材時のものです)

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